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10/01  ディープは凱旋門賞を勝てるのか?

いよいよ、凱旋門賞で世界のトップホース達と戦うために、ディープインパクトがフランスのロンシャン競馬場のターフに姿を現す。

おいら、この日のためにディープインパクトに関する記事を用意していたんだけれども、こんな時に限って、どういうわけだか我が家の電話線が断線し、インターネット上で情報を公開することができなかったのヨ。

なんてこった、まったく。この馬がどれほどスゴイ馬なのか正しく英語で表現するために、おいらが一体どれだけ時間と労力を費やしたと思ってるのヨ、え?結局、全部無駄になってしまったではないかあああっっ!

あああ、もうあと数時間でディープが走ってしまうので、最後に一言だけ。フランス国内にいらっしゃる方々は今スグ馬券を買いに走るべし!こんな機会はまたと無いゾ。もしディープが勝てないなら、日本馬はきっともう勝てないんぢゃないか、とおいら思う。

あおむし

10/02  凱旋門賞の結果

ヨーロッパ最高峰のレースと言われる凱旋門賞で、結局ディープインパクトは3着に終わった。

おいらが予想し、また望んだのとは違った結末になってしまったけど、それが競馬なのねん。実際に走ってみるまでは、何が起こるのかは誰にも分からないのヨ。個人的には、斤量(馬が背負う重量)やレースのペースが遅かったことが、勝ったレイルリンクにとっては有利になったと思うけど、だからってそのことが、今日本国内で圧倒的な強さを誇るトップホースが、2頭もの馬に先着を許してイイ理由にはならん、とも思う。

もっとも、小さな偶然の積み重なりが結果という名の必然に結びつくってコトも、言えるとおいらは思うんだけどね...ある日突然我が家の電話が断線して通じなくなったように、ね。

あおむし

10/03  電話が通じないのねん1

実は2週間程前から、電話かモデムのどちらかが調子悪そうな気はしてたのヨね。というのも、電話を使用している間中、受話器からブブブブブ...てなノイズ(結構デカイ音で)が聞こえていたからね。まあ、その時点ではノイズの原因が何かまでは、分からなかったんだけれども。

最初は、モデムかな?と思ったのヨ、おいら。だって、8コ程モデムに付いてるランプの内、電源が入っていることを示すランプ1コだけしか点灯していないのヨ。ってコトはだなああ、電源供給以外すべての機能が、正常に作動していないというコトではないかああ。だから、モデムの故障かと思ったのヨ。んでも、そうぢゃなかった。

話せば長くなりそうなので結論だけ先に言うと、我が家の電話がある日突然つながらなくなった原因は、モデムでも電話機でもなく、「線」の方にあったのねん。「線」と言うからには「電話線」かと思いきや、ガス漏れ検知器の「線」だったのヨ...。ど、どうして?

つづく...

あおむし

10/04  電話が通じないのねん2

日曜日にNTTの人が修理に来た時には、おいら出掛けていて家にはいなかったんだけれども、その場に立ち合った家人の話に寄れば、NTTの修理の人の説明は以下のようだったそうなのねん。

東京ガスが取り付けたガス漏れ検知器は、大体既にあるNTTの電話線を利用して電話線に接続されていて、実際にガス漏れを検知したりなんかした場合には、NTTの電話回線を使って東京ガスに通報されるシステムになっているらしい。

そんでもって、電話線を介してやり取りされる信号は、エライ遠回りになるにも関わらず全てこの検知器の線を通ってから電話機に送られるらしく、どうやら我が家の電話が通じなくなった原因は、この検知器の線のどこかが何らかの理由で断線してしまったせいだったらしいのだ。

つづく...

あおむし

10/05  電話が通じないのねん3

ま、確かにウチのガス漏れ検知器の線は、家の外にある中継機みたいなのにつながれていて、そこから先は中継機から電話の引き込み線まで、線が屋外に張ってある格好になってるのヨ。んだから、続けざまに台風がやって来るこの季節に、その線のどっかが切れたり傷んだりしたって、何の不思議でもないんだけどね。

「いやああ、お客さん。この東京ガスの検知器っていうのが、実は結構クセモノでねえ。取り付け方が雑なもんだから、もうあっちこっちでお宅と同じようなトラブルが起きて、ウチも困っちゃってんですヨねえ。ったく、もう迷惑な話しッスよねえええ。」とNTTのシトが言ったかどうかは知らないが、この件に関しては、原因が東京ガスの検知器にあるってコトで、NTTと東京ガスとの間に何かしらの取り決めがあるらしく、費用は全額NTTから東京ガスに請求しますので、お客様は支払わなくて結構ですヨ、てなコトになったのねん。

つづく...

あおむし

10/06  電話が通じないのねん4

家に帰って来てみたら、電話線が復旧していたので、おいらホッとしたゾ、いやほんとに。まあ、ウチの家人にとっては、ライフラインである電話が復旧したことなんかよりも、修理費なんかを取られずにタダで済んだコトの方が嬉しかったようだけど(あのなあああ)...。

そもそも、アンタ達が去年の冬、使いもしないガスヒーターにガス漏れ検知器なんか付けるから、こんなコトになるんではないかああっっっ!大体、検知器が作動して何時間もビービーけたたましく鳴り続けたって、アンタ達あどーせ気が付きもしないんだから、ハナっからそんなモン取り付ける必要なんか、どこにも無いんぢゃないのか、エ?

ったく、ボチボチこの困ったシト達の傍若無人振りについて、書いてみてもイイ頃かもしれん...などと思ったりするおいらだった。

おわり

あおむし

10/07  あおむし家の人々1

昨日予告したように、そろそろ、あおむし家の困った人々について書いてみようと、おいら思い立ったのねん。まあ、まずは少しばかり彼らについての、説明を書かなきゃならんけどね。

確か以前、今おいらは、のっぴきならない事情で不本意ながら両親の家に居候している、と書いたコトがあった、と思う。んで、その家の住人というのが:おいら、あおむし、ウチの両親、認知症の血のつながってない祖母、姉においてけぼりにされた三毛ネコ1コ、それと昔飼っていたイヌの亡霊1コ、以上なのねん。

そんでもって、あおむし家の面々のもちっと詳しいプロフィールは、次の通りなのねん。

つづく...

あおむし

10/08  あおむし家の人々2

殿(との):5人兄弟の頭に生まれ、少年時代にすっかり甘やかされ、ワガママに育ってしまったあおむしの父。自分が良くない印象を少しでも持った人間は誰であれ、相手の人間性など全く受け入れず一方的にその人を嫌う、という習性を持つ。おいらもココに来てからは、3年ほど無視され続けているけど、それはおいらが彼のコトを悪く言ったせいだと思われる。義母のことも嫌い、無視し続けている。常に全てにおいて自分のやり方を押し通すことを誇りとし、後先のコトや他人の気持ちなんぞ、もちろん考えたコトもない。ただし妻は例外。気が小さく、完全に妻の尻に敷かれているため、彼女にだけは間違っても逆らわない。偏った健康オタクで、コレステロールと血圧の値には異常な程神経質になる反面、多量の塩分摂取という矛盾したその行動が、実は寿命を縮めていたりする。

つづく...

あおむし

10/09  あおむし家の人々3

女王様(じょおうさま): この家の住人の中で一番の権力者である、あおむしの母。4人兄弟の長女として生まれ、常に損得勘定に基づいて行動する。自分の欲しいモノを手に入れるためなら、人をチェスのこまのように動かすことにも、全く罪悪感を感じない冷徹人間。必殺ワザは責任逃れで、自分の行動に対する責任は全く負わず、自分より立場が弱く、いやと言えないような気の弱い人間に責任をなすりつけるのが常套手段。おいらが責任を追求しようとすると、話の途中で話題をそらしたり摺り(すり)替えたりして、おいらの追究を逃れるエキスパート。天まで届きそうなほど恐ろしくプライドが高く、気が強い。いい加減で物事にだらしなく、他人に負けるのが大嫌い。物の扱いが乱暴で、自分以外の人間に対しては常に批判的。

つづく...

あおむし

10/10  あおむし家の人々4

オババ:認知症のあおむしの義理の祖母。今は亡きあおむしのオジジ(祖父)の2番目の妻で、殿(あおむしの父)とあまり年齢が離れていない。3年程前に脳出血で倒れ、その後遺症と思われる脳血管性認知症を煩っている。症状は徐々に進行して悪くなっているが、ストレスが溜まってくると度を越してワガママな振る舞いをするのは、認知症の症状というよりかは、本人の人間性の問題のような気もする。家の中で自分が如何に大事にされているかをアピールするために、家族以外の外部の人に対してつまらん見栄を張る傾向がある。強引で頑固で図々しい、という3拍子そろった下ネタ大好きのエロオババ。

つづく...

あおむし

10/11  あおむし家の人々5

姫(ひめ):あおむしの姉。既婚、2女の母で現在3人目を腹にて育成中。既にこの家を出ているにも関わらず、あおむし家を裏で動かしている影の女支配者。2人の孫を盾に年老いた親を操って、自分の子供達の世話をさせている。週末には、毎週最低1回はこの家に子連れでやって来て、女王様に子供達と自分の食事や飲み物の世話を焼かせている間、自分はソファに座ってのんびり新聞を読む以外は何もしない。子供の面倒を見たり家事をしたくないために、仕事を続けることに頑に執着し、母親同様ダンナを完全に尻に敷いている。

つづく...

あおむし

10/12  あおむし家の人々6

ミケコ(三毛猫):あおむしの姉によって、この家に捨てて行かれたペットの三毛ネコ。生まれて間もなく捨てられていたところを、不幸にも姫(あおむしの姉)に見つかって、彼女の一時的な好奇心を満たすためだけに、この家に連れて来られる。姫が結婚のためにこの家を離れてもう何年にもなる。その際ネコをこの家に置いて行った理由を彼女は、新居となる集合住宅ではペットが飼えなかったからだ、と説明しているけれども、そんなコトは始めっから分かり切っていたコトで、実際にはミケコは単にこの家に捨てて行かれたに過ぎない。ミケコは7キロ以上目方があるせいか、ネコと言うよりは、どちらかと言うとタヌキに見える。あおむし家の他の面々と同様、プライドが高く人間になつかない。そのため普段は殆どの場合、窓のそばのカーテンの影というお気に入りスポットにて、窓の外をじいっと眺めたり、丸くなって眠ったりして単独で過ごしている。

つづく...

あおむし

10/13  あおむし家の人々7

リュウチン:昔あおむし家で飼われていたペットのイヌ、リュウチンの亡霊。晩年彼が癌との闘病の末命を落としてから、既に10年以上が経つが、何故かその魂だけが肉体を離れてこの家に残った。もしかしたら、この世に何か未練があるのかもしれない。リュウチンは血統書付きのれっきとした柴犬で、長過ぎて覚えられなかったけど、ちゃんとした名前も持っている。元々は、真面目で忠実な性格の持ち主だったが、殿(あおむしの父)の間違った...しつけ、あ、イヤせっかんと言うべきか、のせいで、ひねくれた怖がりに育ってしまった。

つづく...

あおむし

10/14  あおむし家の人々8

おいら(あおむし):この、あおむし家の中では完全な異端児。つい数年前まで、8年間以上も自活していたんだけれども、4年程前に失業したため、不本意ながらこの家に戻る決意を下さざるを得なかった(家賃を浮かすために)。他の家族同様にプライドが高いため(DNAには逆らえないのヨね)、一度出た家に再び置いてもらう許しをアノ両親にもらうのは、おいらの人生の中で最も屈辱的な経験の1つだった。生真面目で、緊張しいで、小心者だけど、なぜか妙に正義感が強かったりする。幼少の頃の経験がトラウマになり、怒鳴られたり怒られたりすると、自分に比がないような場合でも反射的に謝ってしまう、というクセを持つ。自分に自信が持てない、情けないヘッポコあおむしな、おいらなのねん。

つづく...

あおむし

10/15  あおむし家の人々9

すっかり悪口大会のようになってしまったけれども、皆サンが信じようが信じまいが、こんなコトをインターネットに載せてもイイもんかどうか、おいら、実はものすんごく悩んだのヨ。

自分の家族のコトを悪く書くなんて、そりゃもうみっともないし、身内の恥をさらすような行為だとも思う。んでも、おいらの数少ない知人の1人に以前、「おまえンち、おもろいナ」と言われたコトがあったので、もしかしたら同じ感想を持つ人もいるかもしれん、と思ったのねん。

それに、おいらの書くこの困ったシト達の話が、家族関係のウマく行ってない、おいらと同じような境遇にいる人にとって、もしかしたら何かしらの励みに、ほんのちびっと位なれるかもしれないではないか。オマケに、ウチみたいなインチキな家庭が世の中には存在するのヨというコト、また最近の日本では、ウチのようなインチキ家族ごっこが、おそらく相当増えて来ているのヨ、てなコトも、世界に伝えるイイ機会なんではないか、と思ったのねん。

つづく...

あおむし

10/16  あおむし家の人々10

「意外とイイ考えだったかもしれないよ、そこのイモムシくん。」

おうっと、誰かと思えば。皆サン紹介します、ネコのミケコさんです。

「はあい、皆サン方コンニチワ、あんたもね、イモムシちゃん。ところで、具合はどうなんだい?風邪ひいたって聞いたけど。」

コンチワ、ミケコ。って、いつからそんなに、おいらのコト気にかけてくれるようになったのねん?大体おいら、「あおむし」でイモムシぢゃないんだけど。確か前にも言ったヨねえ?

「おや、具合が悪いからってアタイに八つ当たりかい、イモ..あ、ごめんよ、あおむしちゃん。」

別に、ミケコに八つ当たりしてるワケじゃ、ないんだけど。ただ、耳抜きができないモンだから、気持ち悪くって。

「んでも、幾らか良くはなってるんだろ?」

んまあね。そう願いたいのねん。

つづく...

あおむし

10/17  あおむし家の人々11

もっとも、この困ったシト達さえいなければ、もちっと具合は良かったハズだと思うけどね。

「それって、殿のコトかい?」

えーーと、まあ、殿もその中に含まれてはいるけど、彼だけぢゃなくて。別に彼らがみんなで寄り集まって、こうなるコトを企んだりしたとかそういうワケではないんだけれども、んでも、おいらがカゼをひいて調子が悪くなったのは、殿と女王様とオババのせいなのねん。

「一体、何があったのさ?」

つづく...

あおむし

10/18  あおむし家の人々12

まずは、オババのむちゃくちゃなワガママの話から...。

「...(ゲッ。まずは、ってコトは、このイモムシはこの後相当長いコト話すってコトだね...)。」

オババが3年前に脳出血を患って、その後遺症で脳血管性の認知症になったり、右手に若干麻痺が残ったコトはミケコも知ってるヨね?

「ああ、そりゃもちろん知ってるよ。」

つづく...

あおむし

10/19  あおむし家の人々13

んで、まあ、それ以来どんどんワガママがひどくなって、殆どおいらに対してだけなんだけど、とにかく色んな要求をするようになったのヨ。そんでもって周期的に度々、頭がしびれるから大きな病院で精密検査を受けさせろだとか、ヒザが痛いからどーのこーのとか、ゴチャゴチャ騒ぐのヨね。たいがい別に大したコトは無いんだけど。多分、おいらの気をひきたいだけだと思うのねん。

「アタイもそう思うニャー。」

つづく...

あおむし

10/20  あおむし家の人々14

んでも最近、作戦を変えたらしい。ちょっとしたモノなんだけど、毎日違うモノをおいらに買って来させるっていうのが、最近のオババのマイブームみたいなのねん。

「して、どんなモノを買って来させようとするんだい、オババは?必要なモノは一通り揃っていて、アタイの目には、別に足りないモノがあるようには見えないけどねええ。」

ま、大抵はバンドエイドとか、虫除けとか、薬屋で買えるような売薬とか、ちょっとしたモノなんだけどね...。

つづく...

あおむし

10/21  あおむし家の人々15

よく、「塵も積もれば山となる」って言うけど、大したことのないちょっとした買い物でも、さすがに7日間も毎日続いたりすると、コレが実に難儀で、おいらスッカリ疲れきってしまったのヨ。

そもそも、始まりは1箱のバンドエイドからだった。指を切った時に必要だから買って来てくれ、とおいらオババに頼まれたのねん。

って、オババが指を切る、なんてコトはあり得ないではないか。だって、包丁とかハサミを使う必要がある時には、そうした刃物を使ってオババの求めるコトをやってのけるのは、結局おいらなワケだから、もし万が一指を切るようなコトがあったとしても、切れるのはおいらの指であって、断じてオババのではないのヨね。

つづく...

あおむし

10/22  あおむし家の人々16

2日目、おいらはオババにポケットティッシュを買って来てくれ、と頼まれた。

外国の方はご存知ないかもしれないが、ポケットティッシュってえのは、ポケットに納まる位の大きさの、ティッシュペーパーのパッケージのコトなのねん。スーパーや薬屋サンなんかで購入するコトもできると思うけど、日本では街角でタダで配っているのを、もらって使うのが一般的なんじゃないかと思う。

その日は、おいら出掛けなきゃならなかったから、用を済ませてから、まず100円ショップに寄ってバンドエイドを1箱購入し、それからポケットティッシュを手に入れるために、わざわざJRの駅近くの交差点をグルグル歩き回って、ポケットティッシュを6個ゲットした。

つづく...

あおむし

10/23  あおむし家の人々17

3日目、オババはおいらに、ビニール袋をもらって来てくれ、と言った。

彼女の言うビニール袋とは、よくスーパーなんかの荷詰めカウンターにロール状になってセットされている、買い物をした人なら誰でも好きなだけタダでもらって帰れる、アノ透明なシャビシャビのヤツのコトだ。

ゴミを入れて置くのに必要だから、今度はそれをもらって来てくれ、というのだ。

んでも、なんで、そんなモノが必要なのかおいらにはサッパリ分からんのヨね。だって、オババの部屋のゴミは、いつもタタミの上に散らばっていて、そのシャビシャビ袋には殆ど入っていないのヨ。なので、大抵は毎週金曜日に彼女がデイケアに出掛けている隙に、おいらが片付けたり掃除機で吸い取ったりしている。なら、シャビシャビ袋は要らんではないか...。

つづく...

あおむし

10/24  あおむし家の人々18

ところが、オババは「どうしても」あのシャビシャビ袋が必要なのだ、と言う。

そこで、おいらは掛かり付けの医者で、「オババの」処方せんを出してもらい、薬局で「彼女の」薬を買った後に、仕方なく近所のスーパーに立ち寄った。

そんでもって、買い物客へのサービスのために置いてあるのに、何も買わずにビニール袋をくすねて帰るのは、人としてどうなのヨ?と思ったおいらは、シャビシャビ袋をもらうために、こんなコトがなければ別に買うつもりも無かったヨーグルトを、確か154円払って1コ買い、店員や他のお客に見られていないか細心の注意を払いつつ、引っ張れるだけシャビシャビ袋をからからと引き出して、頂いて帰ったのねん。

つづく...

あおむし

10/25  あおむし家の人々19

♪クリス〜マ〜ス〜から4日目の日〜、ぢゃなかった。4日目、オババは...えと、何を買って来いって言ったんだっけ?あ、そうそう、マッチを1箱買って来いって言ったんだった。

マッチを1箱...。って、おいらマッチ売りの少女かヨ!?まあ、一昔前までは、日本のどこの喫茶店のカウンターにも、「御自由にどうぞ」的なブックマッチが置いてあったモンだ。タバコ屋でタバコをカートン買いすれば、必ずオマケにマッチの1箱や2箱は付けてくれたモンだ。んでも、最近は喫茶店にブックマッチも置いてないし、タバコ屋のオマケのマッチも、みんな100円ライターに置き換わってしまったのヨ。きょうび、マッチ1箱を手に入れるのは、そんなに簡単なコトではなくなってしまったというのに、一体どこでゲットしてくりゃイイのヨ、え?

つづく...

あおむし

10/26  あおむし家の人々20

おいらはオババに、彼女が御所望になったマッチ1箱が、100円ライター1コでは駄目なのか、と聞いてみた。

そしたらオババは、ライターぢゃなくてマッチでないと絶対にダメだ、と言った。

仏壇の線香や蚊取り線香をつけるのに、どうしてもマッチが必要で、この2つの物件に火をつける際には、ホンギャアとこの世に生まれてからずっとマッチを使って来たし、ライターなんていう、使うたコトないけったいなモンでは、火が付けられないからダメだ、と抜かしやがった。

つづく...

あおむし

10/27  あおむし家の人々21

おいらはオババに、マッチを使い切ってしまったのなら、イイ機会だからライターの使い方を覚えてみたらどうか、と言ってみたが、オババめは引き下がらなかった。

大体なあ、オババはお世辞にも信心深いとは言えないので、仏壇の線香に火を灯す機会なんて、そんなには無いハズなのヨ。

蚊取り線香もしかりだ。オババは蚊取り線香をきちんとセットすることができないので、そのうち家ごと燃やしてしまうんぢゃなかろうか、と恐ろしくなったおいらは、この夏の初めに電源コンセントを差し込むタイプの、香取マットを買ってやったのねん。だから、蚊取り線香を付けなきゃならんような機会なんてのは、そもそも無いハズなのヨね。

つづく...

あおむし

10/28  あおむし家の人々22

香取マットは、最近の液体のヤツではなく、真中に薬剤をしみ込ませてあるマットをセットして電源プラグを差し込むと、薬剤が蒸発して蚊を寄せつけないヤツで、本体をオババが既に持っていたので、中身のマットだけ、おいらが買って来てやったものだ。火を使うワケではなかったし、そんなに熱くはならないから、コレなら家を燃やす心配も要らんだろう、と思ったのねん。

オババは、おいらの提案に気を変えることも無く、バンドエイドやポケットティッシュやシャビシャビ袋の時と同じように、どうしても絶対にマッチが要るから買って来てくれと、しつこくおいらに食い下がった。

つづく...

あおむし

10/29  あおむし家の人々23

そんなワケで、おいらは翌日出掛けたついでに、仕方なくまた100円均一に寄り、そんでもって少なくとも100本はマッチが入っているであろう、大きめの箱を1コ買った。レジで支払いを済ませながら、マッチとオババの寿命、どっちが先に尽きるんだろう、と思った。

それから家に帰って来て、オババがマッチをしまった場所を、明日の晩になってもまだ覚えていることを祈りつつ、マッチの箱を彼女に手渡したのねん。

つづく...

あおむし

10/30  あおむし家の人々24

翌日の晩、仏壇の線香から煙が立ち上っているのをおいら見たけど、んでも、それ以来線香から煙が上がってるのを見て無いのねん...。

5日目、オババはおいらに、新しいトランジスタラジオを買ってくれ、と言って来た。古いのは壊れてしまって、1コも音が聞こえないのだ、と彼女は訴えた。

オババの部屋には、少なくともあと2つ、ちゃんと音の鳴るラジオがあるのを、おいら知っていた。んだけれども、その2つのラジオは何故かオババのお気に召さないらしく、まったく使おうとしないのねん。イイ加減うんざりしていたおいらは、オババのお気に入りラジオの電池だけ新しいものに交換し、音量をめいっぱいにして(オババはかなり耳が遠いので)、ラジオとオババを部屋に置いて自分の部屋に戻った。

つづく...

あおむし

10/31  あおむし家の人々25

6日目、オババはおいらに、便せんを買って来てくれと言った。

んでも、彼女のご要望に応えるのには、おいらイイ加減うんざりしていた。特に昼間、叔母さん(月に1回彼女の母親であるオババを訪ねて来る)に会って、オババが毎日何かしら買って来いという要求を出すことを話してからは、なおさらウンザリしてしまったのねん。

何故ならその時叔母さんは、おそらくオババは、自分のために人に何かをさせたいから、そのために何をやらせるかを後から考えているんではないか、と言ったからだった。

つづく...

あおむし