日本食ファイル3
ざる蕎麦(ざるそば)
- 料理名 :ざる蕎麦(ざるそば)
- 味 :蕎麦(そば)の味+つゆの甘辛醤油味(あまからしょうゆあじ)+薬味(ネギ、ワサビなど)の味+海苔(のり)の味
- 材料 :蕎麦/そば(乾麺)、市販のめんつゆ、薬味(ネギ、ワサビなど)、海苔(のり)
- 調理法 :茹(ゆ)でた後流水で冷やす
- 値段 :700円前後
ざる蕎麦(さるそば)は冷やした蕎麦(そば)をつゆに付けて食べる、蕎麦(そば)の一種です。
よく似たものに「盛り蕎麦(もりそば)」がありますが、一般的には海苔(のり)のかかったものを「ざる蕎麦(ざるそば)」と呼び、店屋ではコチラのほうが値段も高めになっています。
元々蕎麦(そば)と言えば、冷たいつけ蕎麦(つけそば)しかなかったようですが、江戸時代は元禄の頃(1688〜1703)になると、「一口食べる毎につゆにつけなくちゃならねぇのは面倒くせぇい!んだったら初めっからつゆを蕎麦(そば)にかけちめぇ!」ということで、気の短い江戸っ子達の間で冷たい蕎麦(そば)につゆをかけた「ぶっ掛け蕎麦(ぶっかけそば)」が大流行。この「ぶっ掛け蕎麦(ぶっかけそば)」とそれ以前からあった「つけ蕎麦(つけそば)」とを区別する必要が出てきたことと、つけ蕎麦(つけそば)の蕎麦(そば)を器にうずたかく盛ったことから、このつけ蕎麦(つけそば)のことを「盛り蕎麦(もりそば)」と呼ぶようになったんだそうです。
さて、同じ江戸時代の中頃、江戸の深川(ふかがわ/今の東京江東区)洲崎(すざき/今の木場かいわい)にあった伊勢屋(いせや)さんという蕎麦屋(そばや)さんで、「盛り蕎麦(もりそば)」よりも上等な材料で作った冷たいつけ蕎麦(つけそば)を、竹ざるに盛りつけて出したんだそうです。そして、高級感の漂うこの蕎麦(そば)を「盛り蕎麦(もりそば)」と区別して、「ざる蕎麦(ざるそば)」と呼ぶようになったと言われています。ちなみに「盛り蕎麦(もりそば)」には無い海苔(のり)がかけられるようになったのは、明治時代になってからなんだそうです。